質屋にもトレンドというものがあり、それによって“質屋で高く売れるもの”にも変化があります。
質屋歴の長い私も、質屋のビジネスのステージが世界各国にあって、その質屋がトレンドづくりの一翼を担っているのを知ったのは最近のことでした。
◇取引先は世界中に広がっている。
東京に限らず、質屋の仕事は買取りと販売がメインですが、フランチャイズ店やチェーン店などで手広く営業している質屋では、客の対象を日本国内に限定しているわけではありません。
アメリカ、ヨーロッパ、中国・香港、中東各国にも取引先があり、積極的な事業展開を行なっています。
日本で人気のバッグのブランド品も、時計や宝石などの人気商品も、仕入れ先が日本国内の市場とは限らないのです。
◇日本から海外へ。
海外から日本へ。
たとえば、いいもの、東京の質屋で高く売れるものと思って顧客のあなたが持ち込んだ品々も、海外の顧客に渡っている可能性があります。
いまや質屋は、買取るのも売りさばくのも、世界が舞台になっています。
トレンドは世界をめぐりますから、それまで日本では人気のなかったブランド品が、海外から持ち込まれることでいっきにブレイクする可能性があります。
◇バッグも、時計も、無名だったデザイナーの宝飾品も、ある意味では質屋の活躍によってトレンドがつくられてきました。
たとえば質屋経験の長い私の記憶でも、“東京の質屋で高く売れるものは、定番の時計のブランド品だ”と思っていたら、それまでほとんど無名の状態だった時計ブランドに、いつの間にか人気が集中していたなどということが良くありました。
トレンドの波を作っている立役者は質屋でもあります。